癌と闘う人のための「郭林気功」宝塚、あなたの力になりましょう・・・

癌と闘う人のための「郭林気功宝塚」
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中度風呼吸法自然行功
中度風呼吸法自然行功について!

中度風呼吸法自然行功は、「郭林気功」の全ての行功の基本となるもので、非常に簡単ですが、この中度風呼吸法自然行功を行うだけでも、かなり効果的な抗癌作用や治療効果を引き出すことができます。 例えば、この中度風呼吸法自然行功だけを修練した腎臓結石胆結石の患者は、結石を排除し、それぞれの病を全快させた例があるほどです。

中度風呼吸法自然行功の外観からはゆったりと庭を散歩しているように見えますが、その呼吸法と手の振り方に際立った特徴があります。 この功法は、早朝に公園など木や水のある所で修練することにより、大量の新鮮な酸素を吸収することができ、その吸う方法には「速い、強い、多い」の特色があり、この功法により生み出された内気もきわめて強大です。毎朝根気よく続けて修練すれば、癌の予防、他の病気予防、炎症の治癒、低温体質の改善にすばらしい効果を収めることができます。特に酸素に弱い癌には非常に有効かつ、最適な行功です。

この行功は「調息導引法」を活用し、「陰陽」を調節し、「内気」の運行を制御し、「経絡脈道」を疎通させて病気の予防、治療に絶大な威力を発揮しますので、この功法が簡単であるからといって、絶対に軽視してはいけません。 まず、この中度風呼吸法自然行功をきちんとマスターさえすれば、その他の功法も全て上手く習得することができ、その効果も最大限に収めることができるでしょう。

この行功は「予備功→本功→収功」を1セットとし、十分な休憩を挟んで複数回行うのが基本で、癌予防の場合、一般の人より呼吸を軽くし、歩く速度もややゆっくりに調節します。 一刻を争う末期癌患者の場合は、この中度風呼吸法自然行功に加え、風呼吸法特快功を行い、練功時間も増やさなければなりませんが、まずこの中度風呼吸法自然行功を完全にマスターしましょう。

中度風呼吸法自然行功


予備功!

■松静站立
これは各動作を始めるときの基礎で、意識から肢体まで「心が安らぎ、精神が鎮まり、リラックスして、静かに、自然に」行います。癌や慢性病を治すために必須となる行功時の内気を上手く発生させられるかどうかは、この松静站立(入静)が上手くできるかどうかにかかっています。 もし、この松静站立により入静が上手くできなければ、その後の行功はラジオ体操と同じようなもので内気は発生せず、癌などの難病にはほとんど治療効果を期待できないでしょう。 これほどに松静站立(入静)は大変重要なのです。 下記の項目に注意して準備ができたら、目を閉じて60秒数えましょう。 もし、この60秒の間に心の乱れなどで入静が上手くできなければ、もう一度目を閉じて60秒数えてみましょう
松静站立
松静站立(正面)
身体全体をリラックスして立ちます
松静站立
松静站立(側面)
高い椅子にちょこんと腰掛けたような感じです

1.心静安神
大脳を静めて、すべての雑念を払って、静かな状態に入れるかどうかは練功の効果を得られるかどうかと深く関わっています。心安神静にすると、全身を緩められ、気血も疎通させて、どの功法を行う場合においても、入静しやくなります。 また、大脳を休めることにより「胸腺」への負担を軽減させ、各種ホルモンの分泌を正常化し免疫力が向上することは、今ではよく知られています。

2.両足平開
両脚を平行にして立ちます。脚の外側の幅を肩幅と同じにします。両膝を緩めて少し曲げ、膝先は爪先を超えないようにします。そして、命門穴から腰を緩めて、両膝、両股も緩めます。ちょうど座る位置の高い椅子に腰掛けているか、いないかというような感じです。 とにかく腰を緩めないと丹田まで沈めることができません。 陽経のを下に沈め、陰経のを上へ昇らせるためには、腰(命門穴)を緩めることが大変重要なのです。
正しい立ち方
○ 正しい立ち方
両足を平行にして立ちます
誤った立ち方
× 誤った立ち方
両足先が開いてしまっています

3.両目軽閉
まず遠方を平視し、見る位置を変えないで、軽く眼を閉じます。そして、リラックスして入静します

4.舌舐上顎
舌先は力を入れずに上顎と歯根の間を舐めて、任脈と督脈を通じさせます。俗にいう「小周天」です。唇も力を入れないで軽く閉じます。 古典気功ではこれを「搭鵲橋」と称します。 「鵲橋(かささぎばし)」とは、中国の伝説で旧暦の7月7日の七夕の日に天の川上にできる橋の名前で、この橋は織姫と彦星が出会うためにできることから、鵲橋と呼ばれており、この喩からもわかるように任脈と督脈を通じさせることは、とても素晴らしいことなのです。
舌舐上顎
写真のように舌先を力を入れずに上顎と歯根の間にあてて軽く口を閉じます

5.百会朝天
下顎を少し引いて頭の頂上の百会穴を中軸の垂直線上に位置付けます。頚部は力を抜いて自然にします。 ちょうど、頭のてっぺんを上から糸で吊るされて、だら〜んとしているような状態です。
中丹田三個気呼吸
頚部の力を抜いて百会穴を天(真上)に向けます

6.沈肩墜肘、虚腋松腕
腕、肘、肩の3ヶ所の関節を緩め、両手を自然に両胯の傍に置き、気血を流暢に流させます。腋部には卵一つ分を空けます。そして、上臂に少し力入れて上げ、指を揃えて両胯を触れないように両胯の傍に手を置きます。

7.含胸抜背
胸と背中の筋肉の緊張をとりさって緩めると背骨が立ちます。

8.収腹
小腹部を外側に突き出さないように注意して、力を抜き、無理しないで意識を内へ収めます。

9.松腰松胯
臀部大肌と命門以下の腰椎を緩めて、気を沈めます。


■中丹田三個気呼吸
男性左手を下、女性右手を下にして内労宮穴外労宮穴を重ね合わせます。 そして、ゆっくりと3つの「気呼吸(鼻で吸って口で吐く)」を行います。
中丹田三個気呼吸
中丹田三個気呼吸
男性は左手が下で右手が上です
中丹田三個気呼吸
中丹田三個気呼吸
女性は右手が下で左手が上です

1.気呼吸
口で吐いて鼻で吸い、呼吸音が無声の「気呼吸」は、一つの調息導引の功法です。眼を閉じても開けていても構いませんが、自分の練功習慣により選らんでください。 この功法は、3つの気呼吸を通じて大脳を入静させます。予備功、収功、各功法を切り替えるときに、この3つの気呼吸をきちんとやらなくてはいけません。「吐いてから吸うのが補法」、「吸ってから吐くのが潟法」です。身体が弱い人は補法を使い、癌患者潟法を使います。 ただし、脚棍功湧泉按摩功では補腎を目的としていますので、病状に関係なく補法を用いますので注意してください。

2.慢性病患者のやり方
松静站立し、両手を小腹部、或いは股部の両側からゆっくり軽く腹部前へ揃えます。最初、両手心が向き合い、腹部前に移すときに両掌心を腹部へ変えて、男子が左手の虎口を臍に置いて、掌心(内労宮)中丹田を押さえ、右手の掌心を左手の甲に重ね、右手の内労宮穴を左手の外労宮穴と併せます。女性は左手が下になります。 この手の動作が終わってから次に呼吸に入ります。 まず、口で吐きますが、口を大きく開けないで少し隙間を開けて吐き、次に鼻で吸います。軽く、深く、長く、ゆっくりと呼吸します。力強く、無理やりな呼吸を避けて、余裕がある呼吸をします。吐くときに腰、股、膝を緩めて身体をゆっくりと下げます。 下げる速度と高さは病状によって決めます。高血圧、高眼圧など指標の高い患者は深く、ゆっくりと下げます。指標の低い患者は速く、少しだけ下げます。 指標が低すぎる人は下げないで、腰、股、膝を緩めるだけでよいです。指標正常者は深く、ゆっくりと下げます。 そして、しばらく吐いてから吸い始めます。 最初、吸うときには息を吐くまで身体を上げないで、吸いながらあげてもいけません。 今度は、しばらく吸ってからゆっくりと上げます。上げる時に自然呼吸をしますが、高血圧症など高指標者は少し速く上げて、指標の低い人は少しゆっくりと上げます。「一呼、一吸、一平(自然呼吸)」と「一回下げ、一回上げ」は1セットの「気呼吸」になります。併せて3セットの「気呼吸」を行うことで導引作用を得ることができます。 また、身体の上昇と下降の速度と高さにより、各病状の指標を調整することが可能です。

3.癌患者のやり方
@順番が違います。
癌患者は吸ってから吐く潟法を使い、3つの「気呼吸」はそれぞれ「吸、呼、平(自然呼吸)」となります。

A癌患者の病気の場所により、手の置く場所も違います。
病が頭部、胸部ならば両手を中丹田に、病が肝臓、脾臓、胃ならば両手を腎兪穴に、病が腹部ならば、両手を股部から挙げていき、親指と人差し指を繋げて輪を作って(手でOKのサインを作る感じです)から、両手を帯脈に沿って滑らす感じで背部へ移動させ、両手の背を腰部の腎兪穴に置いてから、三つの気呼吸をします。腹部と腰部に癌がある患者は両手の背を帯脈に置き、3つの気呼吸を行います。
中丹田三個気呼吸
中丹田三個気呼吸
両手を腎兪穴に置いた例です
中丹田三個気呼吸
中丹田三個気呼吸
両手を帯脈に置いた例です

中丹田三個気呼吸
中丹田三個気呼吸
両手を腎兪穴の高さ(臍の高さ)まで挙げます

中丹田三個気呼吸
中丹田三個気呼吸
親指と人差し指を繋げて輪(OKサイン)を作ります
帯脈に沿って滑らす感じで背部または帯脈へ移動させます



■中丹田三開合
中丹田三開合
中丹田三開合(1)
両手を中丹田前の水平線上に持ってきます
中丹田三開合
中丹田三開合(2)
指を揃えて両側へゆっくりと分け開きます

中丹田三開合
中丹田三開合(3)
開ききったら手を翻して掌心を向き合わせます
中丹田三開合
中丹田三開合(4)
両手をゆっくりと中丹田前に揃えます

1.調整法
気呼吸が終わったら両手は中丹田に移動し、自然呼吸に変わります。 そして、両手を中丹田前の水平線上に持っていき3回の開合をやります。 両手の背(甲)が向き合い、指を揃えて両側へゆっくりと分け開きます。 分け開く幅は身体より少し広目にします。開ききったら手を翻して掌心を向き合わせ、両手をゆっくりと中丹田に揃えます。 両手が触れるか触れないかのところまで持ってきたら再び手を翻し、手の背(甲)が向き合い、第二の開合をやります。こうして三回行ってから両手をゆっくりと両胯の傍に置いて、中丹田三開合を終えます。 この動作のポイントは、腹内臍下の下方向へ 1.5 寸(約 4cm )、そして中方向へ1.5 寸(約 4cm )のところで交差している命門を開けることです。この命門を開けると内気の上下運動が可能になります。そうすると経絡が通じて陰陽のバランスが取れるようになり、元気旺盛、邪気排除が可能になります。予備功、収功、各動作を切り替えるときには、きちんと、この中丹田三開合を行うようにしてください。

2.補潟法
掌心が下向きの開合が潟法で、掌心が内向きと中丹田向きの開合が補法です。掌心が上向きの開合が升法です。指標を正常化させるために、掌心を徐々に内側、或いは中丹田へ傾けるように調整する必要があります。腹部の癌患者が三開合をやるときに、両手を腹部から少し離して、普通 33cm 離して、掌が下向きです。慢性病患者は潟気を防ぐために掌を下方へ傾けません。高血圧の人は掌を少し地面に向けますが、垂直平面にはしません。


本功!

■邁歩法
予備功が終わったら、ゆっくり眼を開け散策のように前へ歩き始めます。高血圧、心臓病患者が先ず左足を出し、肝胆病、眼疾患の人は右足を先ず出し、他の慢性病患者は男性が左足、女性は右足の順番で足を出します。 左足を例にしますと、足を出す前に左足のつま先が右足の傍一拳の所に地面と触れます。これを「点脚起歩」といいます。右手が中丹田前に、左手が左胯環跳穴の 10〜20cm の所へ開きます。足を出すときに踵を地面に付け、足底を緊張させないで力を抜いて立てます。 そして、膝を少し曲げ、出す足の幅も大きくしないで平常の半歩ぐらい前に出します。 それでは、左足を出してみましょう。 まず左足を前に出し、踵から着地し足底を立てて重心も左へ移動させ、左足底を平らに戻してから右足を出します。 このとき、両足が八の字に開かないように、つま先の方向に注意して足を出して行きます。李時珍『奇経八脈考』の中に「陰きょう動諸脉通」というのがあり、この理論に基づいて、踵の内側と外側にある「陰陽二きょう二維」の経絡を刺激し、動かすことにより、気血の流れを調整して陰陽のバランスをとる方法を郭林女史は考え出しましたが、足が八の字のように開いてしまいますと「陰陽二きょう二維」を上手く刺激することができず、陰陽のバランスをとることができないので、両脚を平行にして立つよう心がけてください。
正しい足の出し方
○ 正しい足の出し方
足が開かないようにまっすぐ出します
誤った足の出し方
× 誤った足の出し方
足が八の字に開かないよう注意します

李時珍の『奇経八脈考』−陰維脈と陽維脈
李時珍の『奇経八脈考』−陰維脈と陽維脈

それでは、右足も左足同様、先に踵を着地させ足底を立てて重心を右へ移動しながら腰を緩め、足を平に戻します。このように左足、右足を交互に出していきます。両足を直線に保ち、腰と胯を緩めて一歩一歩、前へ進んでいきます。
邁歩法
邁歩法(1)
左足のつま先を右足の傍一拳の所に置きます
これを点脚起歩といいます
邁歩法
邁歩法(2)
平常の半歩ぐらい前に出します
つま先を立て、踵からの着地に注意しましょう

邁歩法
邁歩法(3)
次は右足、左手を中丹田前へ導引します
邁歩法
邁歩法(4)
次は左足、足は八の字に開かないように!

邁歩法
邁歩法(5)
2順目(4歩目)で右足を前に出すときに、腰を捻り横(右)を向きます
このとき、顔だけでなく、腰から捻り大椎を刺激しましょう
顔だけ捻ると大椎を刺激する効果がないだけでなく、首筋を傷めますので注意してください
「松腰松胯、百会朝天」、腰(命門)を緩め、頚部の力を抜き、頭頂の百会は常に天を向きます


■双手擺動導引法
「点脚起歩」の時に右手を中丹田前の 10cm に運び、左手を左胯傍環跳穴の 10〜20cm に運びます。左足を出して踵が地面に付き、右手を中丹田前、左手を左環跳穴傍に置くとき、両手の内労宮が身体側に向きます。左足を元に戻すときは重心を左足に移し、右手が中丹田前から段々右環跳穴傍へ運ばれて、左手は中丹田に運ばれます。 左足を平らにし、重心を左足に移動して右足を出し、右足の踵を地面に付けるときは、右手が右環跳穴傍に、左手が中丹田前に運ばれます。 肩肘腕の各関節を緩めて、腋下を虚にし(脇の下に卵一つ分ぐらい空間を空ける)、臂を硬くならないよう(腰を緩める)に、少し円弧を描いて手と臂(腰)を自然な状態にします。 掌心の下向きが潟法、丹田に向いて手が振れるのが補法で、手が外側へ振れて掌心が下向き、戻すときに中丹田向きが調整法です。 指先が下向きの手の振れは降法になります。降法は指標を下げ、掌心が上向きの升法は指標を上げさせます。

潟法
掌心の下向きが潟法です

降法
指先が下向きの手の振れは降法です
邁歩法
掌心の上向きが升法です

中丹田と内労宮
中丹田と内労宮

環跳穴
環跳穴


■風呼吸法
風呼吸法は鼻で吸って、鼻で吐いて、呼吸の時に少し自分が聞こえるぐらいの息声がします。自然行功の風呼吸法は二つの吸うと一つの吐く、つまり連続的に短く二回吸って、ちょっと長く一回吐きます。「吸うー吸うー吐くー」とは、二つの吸う時間と一つの吐く時間の長さがまったく同じ長さの呼吸法です。

この風呼吸法は、別名「吸吸呼」と呼ばれ、日本人の耳には「シ・シ・フー」と聞こえることから、日本では風呼吸法に代表される郭林気功「シ・シ・フー」と呼ぶこともあります。 もちろん、中国でも郭林気功「吸吸呼」と呼びますが、日本での発音とは少し違っていて、3音ともに第一声発音(中国語は四声+軽声で表現される)で「 Xi Xi Hu 」となり、どちらかというと「シ・シ・ホォー」と発音されます。

郭林気功では、「風呼吸法」の他に「気呼吸法」「自然呼吸法」を採用し、「呼吸法」にかなり力を注いでいます。 中医学「肺朝百脈」という言葉がありますが、これは「臓腑のすべての気や血は必ず肺に集まる」という意味です。このことから、有効な「呼吸法」を上手く取り入れ「肺」の機能を高めることができれば、各臓腑を正常な状態に戻してやることができるはずです。

さて、風呼吸法はは手足の動作と協調して行われます。 左足を出す場合、踵が地面に付くときに「吸うー吸うー」!、そして右足を出して踵が地面に付くと「吐くー」!となります。 こうして「吸うー吸うー吐くー」「吸うー吸うー吐くー」・・・と一歩一歩前へ進んでいきます。 足を切り替える場合は、松静站立に戻って中丹田三開合をしてから切り替えます。

「吸うー吸うー吐くー」を1回の動作として2回に1度、腰を捻ります。 頭が正面に向くときに「吸う」、頭が側面に回るときに「吐く」、切り替えるときに少し止まる過度状態もあります。 具体的には左足を先に出す例では、左足を出して「吸うー吸うー」、右足を出してから「吐く」と同時に頭を右側に45度回します。左足を出してから、左足を平らに置きながら重心を左足に移動し、身体も少し右に回して双臂が右回し、頭と上半身を45度を超えない程度に一緒に回し、天柱穴を緩めます。右足を先に出す場合は、左足を出した時に、頭を左側へ45度回して同時に吐きます。

走行するとき、舌先が軽く上顎の歯根と歯の交差するところを舐めて、任脈と督脈を上手く運行させます。

眼は頭部の動きにより視野を変えますが、頭の位置を正すため、ずっと平視します。 走行の速度は身体の状態によって異なりますが、基本的には「軽くて、気持ちよい」と感じる速度で歩きます。普通一分間で20〜30歩を歩けば良いでしょう。

左足、右足、合わせて40分歩いて松静站立の姿勢に戻ります。立ったまましばらくしてから中丹田三開合中丹田三個気呼吸を行い、また松静站立の姿勢に戻り2分たった後、ゆっくりと舌先を下げて眼を開け、自然状態に戻ります。これが1セットの中度風呼吸法自然行功です。合わせて3セット行います。各回の間は座るか横になり、目を閉じて5〜10分間ゆったりくつろいで身体と心を休めてください。

【 注意事項 】

脚の調整は、1回目に先に左足を出したら、2回目に先に右足を出して、3回目にまた左足を出します。もし、先に右足を出したら、逆に調整します。

走行するときに手を振りますが、中丹田までの導引に注意します。内気を散らさないように漂うスワイショー(手をブラブラ振る)をしないように気をつけてください。

「吸うー吸うー」の時に横隔膜が少し震える感じがします。鼻で力強く吸いません。

走行するときの速度は、癌患者の場合は慢性病患者より比較的速いです。呼吸も歩法もどちらも速いです。慢性病患者はゆっくりと脚を出し、細く長く呼吸しても構いません。

男女問わず、肝胆、眼の疾病の人は右足を、心血管病患者が左足を先に出します。それに第一歩は足先が地面に触れて、第二歩は踵が地面に付きます。一般的には男性左、女性右の順番で脚を出します。

練功時間は、慢性病患者が40分練功します。重病と弱い人は先ず20分練功してから休んで松静站立中丹田三開合をやって、脚を交換して、また20分走行しても良いです。
癌患者の場合45分練功します。左足を出してから15分走行して、松静站立に戻って中丹田三開合をやって、右足を出して15分走行して、松静站立に戻って中丹田三開合をやって、また左足に交換して15分してから松静站立中丹田三開合中丹田三個気呼吸をしてまた松静站立の姿勢に戻り2〜3分経過後、ゆっくりと舌先を下げて眼を開け、自然状態に戻ります。 この後、顔、頭、耳、大堆穴の按摩を行い終わります。



収功!

収功は気功治療と保健を発揮するために練功中に生み出された内気を導引して、元に戻す功法です。そのルートは経脈の内気任脈の気海穴(中丹田)に集めて、内気気海穴を経て、任脈に入り、任脈と督脈から成っている循環軌道を巡り、それぞれ元の処に戻ります。そのため、収功全過程は意念活動をずっと中丹田に集中しなければなりません。

練功は畑仕事です。イメージを選ぶのは種を選ぶように、意念を守るのは種蒔きと耕作のように、収功は収穫した稲を倉庫に入れるような仕事です。まじめに収功しない、或いは簡単に終わらせるようでは元気丹田に帰すことができません。元気の損失は気血の滞りをもたらします。

このように収功はとても重要な功法ですので、決して省略しないでください。収功のやり方は、以下のように予備功を逆の順序で行い、最後に顔、頭、耳、大堆穴の按摩を行い終わります。

1.中丹田三開合
松静站立の姿勢に戻り、暫くたってから中丹田三開合を行います。
※やり方は「予備功」を参照してください。
中丹田三開合
中丹田三開合(1)
両手を中丹田前の水平線上に持ってきます
中丹田三開合
中丹田三開合(2)
指を揃えて両側へゆっくりと分け開きます

中丹田三開合
中丹田三開合(3)
開ききったら手を翻して掌心を向き合わせます
中丹田三開合
中丹田三開合(4)
両手をゆっくりと中丹田前に揃えます

2.中丹田三個気呼吸
続いて中丹田三個気呼吸を行います。
※やり方は「予備功」を参照してください。
中丹田三個気呼吸
中丹田三個気呼吸
男性は左手が下で右手が上です
中丹田三個気呼吸
中丹田三個気呼吸
女性は右手が下で左手が上です

3.松静站立
両手を自然に身体の両側に垂らし、予備功の松静站立の状態に戻ります。
※松静站立のやり方は「予備功」を参照してください。
次に口の中に溜まった唾液を3回に分けて飲み込み、中丹田へ流し込みます。この中丹田へ流れ落ちる感覚をじっくりと味わってください。この唾液を飲み込む咽津三口功は意念を中丹田に集中させるための極めて重要な功法となり、また、練功中に溜まったこの唾液は免疫力を上げる大変貴重な薬だともいわれています。 この咽津三口功を終え、2〜3分経過後、ゆっくりと舌先を下げて眼を開け、自然状態に戻ります。
松静站立
松静站立(正面)
身体全体をリラックスして立ちます
松静站立
松静站立(側面)
高い椅子にちょこんと腰掛けたような感じです

4.按摩
最後に「顔、頭、耳、大堆穴」を手で按摩(マッサージ)して収功を終えます。
まず、両手を洗うようにして数回擦り合わせます。 そして両手の内労宮で顔を洗うように擦り、次に手串の要領で頭の額から後頭部にかけて指先でマッサージします。 この顔と頭のマッサージを9回行ったら、次に両手の指で両耳を摘まむように滑らしながらマッサージします。これらのマッサージは五臓六腑の機能を調節します。 最後に大堆穴を右手で9回、左手で9回擦ります。大堆穴は、非常に重要な経穴で、陽経経絡は全てこの大堆穴を経由して疎通します。 大堆穴のマッサージを終えたら、両手を身体の両側に垂らし、自然状態に戻り終わります。
按摩
按摩(1)
両手の内労宮で顔を洗うように擦ります
按摩
按摩(2)
手串の要領で頭をマッサージします

按摩
按摩(3)
両耳を摘まむようにマッサージします
按摩
按摩(4)
最後に大堆穴を擦って陽経を疎通します


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