自然呼吸慢歩行功の収功は、大収功(復式収功法)を行います。
大収功は気功治療と保健を発揮するために練功中に出来た内気を導引して、元に戻す功法です。そのルートは経脈の内気を任脈の気海穴(中丹田)に集めて、内気が気海穴を経て、任脈に入り、任脈と督脈から成っている循環軌道に入り、それぞれ元の処に戻ります。収功全過程に意念活動をずっと中丹田に集中します。
練功は畑仕事です。「イメージを選ぶのは種を選ぶように、意念を守るのは種蒔きと耕作のように、収功は収穫した稲を倉庫に入れるような仕事です。」気を抜いて収功をする、或いは簡単に終わらせるのは元気を丹田に帰さないのです。元気の損失と気血の滞りをもたらします。ですから収功はとても重要で時間もかかります。1時間の練功ならば、予備功:5〜10分、功法:30〜45分、収功:10〜15分の時間割です。
■意念の転換
意念の転換は慢歩行功の意念活動に選んだ「テーマ」を手放して、意念活動を中丹田に転換します。その「テーマ」を丹田に持ち込まないで、内気だけを丹田に戻します。
■昇降開合
正面でしゃがみこまない
昇降開合を3回行います。
昇降開合のやり方については
昇降開合松静功のページを参照してください。

昇式 前足に体重を載せて両手を挙げていきます |

昇式 「だん中穴」前で指先を合わせます |
■揉球
意念を
丹田に安定させるために、
「揉球」の動作をやります。脚を前へ一歩踏み出し、両掌心が向き合って、
中丹田前
20センチの処に置いてボールを揉みます。意念では
25センチぐらいの気球を揉みます。変形されないように力入れないで、飛ばさないように力を少し入れて、身体をリラックスして、特に腕、腰、膝を緩めてそのボールを揉みます。揉むときに絶えず
「虚実転換」の動作で重心を前後に移動して行います。
ちょうど機関車の車輪が回るような感じです。
まず、はじめに重心を前足に移動しながら身体の
正面で順方向の回転でしばらく(
6回ぐらい)揉みます。
次に重心を後足に移動しながら逆回転でしばらく揉みます。
この前後の
「揉球」を3セット行います。
次に
左側に身体を回転させながら順回転でしばらく揉みます。
次は
右側に身体を回転させながら逆回転でしばらく揉みます。
この左右の
「揉球」を3セット行います。
最後に
正面に戻り、逆方向の回転のままでしばらく揉みます。
順序は
「正面(3回)->左側->右側->左側->右側->左側->右側->正面」となります。

揉球 前20センチの処にボールを置いて揉みます |

揉球 腕、腰、膝を緩めてそのボールを揉みます |
■放球
意念活動をさらに
中丹田に安定させるために
「放球」の動作を行います。
中丹田前で
揉球の両手心を上向きに変えて、球を上へ持ち上げるようにして、徐々に
中丹田から上へ少し持ち上げます。これが1回目の
放球です。両手を徐々に
だん中穴前に挙げ、身体を上げながら重心を前に少し移動して、両手をもうちょっと上へ持ち上げます。これが2回目の
放球です。3回目の
放球は両手を
印堂穴前にあげ、身体を少し前へ移し、重心を前脚に移動します。この時はその球をすでに手から放しています。
「3回放球」をしてから、両手を立てて掌心を向き合わせ、後足を前脚と平行して立ち、重心を両脚の間に置き、両手を印堂穴からゆっくりと
中丹田前に落とします。
放球球を上へ持ち上げます
■揉腹
両手を重ねて軽くて
中丹田(気海穴)に置きます。男性は左手
内労宮が
中丹田に向き、軽く置いてから、右手の
内労宮が左手の
外労宮穴と向き合わせます(
女性は左右反対)。
中丹田を中心として時計方向により螺旋形の曲線で小から大までゆっくりと9周廻します。最後の円形の大きさは上
がだん中を越えない、下が
曲骨穴を越えない範囲です。9周廻してから
だん中穴前で手を転換して下の左手を右手の上に置き、逆時計の方向で螺旋形の曲線で小から大までゆっくりと9周廻します。最後の1周は
中丹田の周りにすこし回して、9周廻してから、手はちょうど
中丹田に止めます。
揉腹は腹を触れないで、力入れて腹を揉むことでもないし、腹部按摩でもありません。中丹田の意念活動です。数字も拘らないです。
揉腹両手を
中丹田(気海穴)に置いて揉腹を行います
揉腹循行路点線の部分が揉腹の循行路です
範囲は
気海穴を中心に
「だん中穴〜曲骨穴」を越えません
■中丹田三個気呼吸
揉腹の動作が終わったら、内気を
中丹田に安定させるため、三つの気呼吸をします。
中度風呼吸法自然行功の
中丹田三個気呼吸と同様の手順を行います。
ただし、病状に関係なく
「先に吸ってから吐く」の
補法の気呼吸法を行います。

中丹田三個気呼吸 男性は右手が上になります |

中丹田三個気呼吸 女性は左手が上になります |
■点穴回気
手と肘を
印堂穴まであげて、
印堂穴前で肩の同じ幅に左右へ分けて、手の内側の掌心が顔の方を向きます。
両手は軽くて拳を握り、親指を軽く人差し指の上に載せ、中指は軽く
労宮穴を点きます。
そして、手の上に余る
内気を
中丹田に戻します。
これを3回やってから両拳心を向き合せて
印堂穴前で両手を合わせ、徐々に拳心を下に向けていきます。
そして、両手を中心線(
任脈)に沿って下に落とし、
だん中穴で指を緩めて、そのまま続けて
中丹田前まで落とします。
最後は、両手が自然に身体の両側に垂れて予備功の
「松静站立」の状態に戻ります。
点穴回気両手を中心線(
任脈)沿いに挙げます
■松静站立
中度風呼吸法自然行功の
松静站立と同様の手順を行います。
両手を自然に身体の両側に垂らし、
予備功の松静站立の状態に戻ります。
次に口の中に溜まった
唾液を3回に分けて飲み込み、
中丹田へ流し込みます。この
中丹田へ流れ落ちる感覚をじっくりと味わってください。この
唾液を飲み込む
咽津三口功は意念を
中丹田に集中させるための極めて重要な功法となり、また、練功中に溜まったこの
唾液は免疫力を上げる大変貴重な薬だともいわれています。
この
咽津三口功を終え、2〜3分経過後、ゆっくりと舌先を下げて眼を開け、自然状態に戻ります。

松静站立(正面) 身体全体をリラックスして立ちます |

松静站立(側面) 高い椅子にちょこんと腰掛けたような感じです |